- つま
- I
つま【夫・妻】(1)〔配偶者の意〕夫婦や恋人などが, 互いに, 相手を呼ぶ称。 男女ともに用いた。
「吾(ア)はもよ女にしあれば汝を除て男は無し, 汝を除て~は無し/古事記(上)」
(2)深い関係にある一組のものを夫婦にたとえてその一方をいう。「小牝鹿(サオシカ)の~にすめる萩の露にも/源氏(匂宮)」
(3)夫婦のうちの男のほう。 女性からいう。 おっと。「親の代につかはれし下男を~として/浮世草子・二十不孝 1」
→ つま(妻)IIつま【妻】〔「つま(夫)」と同源〕※一※配偶者である女性。⇔ おっと「~を娶(メト)る」「新~(ニイヅマ)」「糟糠(ソウコウ)の~」※二※(1)主要な料理, 特に刺身などのあしらいに添える野菜や海藻。「刺身の~」
(2)主となるものに添えるもの。III「話の~」
つま【爪】爪(ツメ)の意。 名詞や動詞の上に付いて, 複合語として用いられる。IV「~先」「~音」「~弾く」
つま【端・妻】(1)もののはし。 特に, 建物の端。 建物の側面や棟の方向に直交する面。⇔ 平(2)切妻や入母屋(イリモヤ)造りの屋根の側面の三角形の壁面のこと。(3)いとぐち。 てがかり。 端緒。V「ながらへての身のなげきは増さる~とこそならめ/寝覚 3」
つま【褄】〔端(ツマ)の意〕着物の裾(スソ)の左右両端の部分。 また, 竪褄(タテヅマ)のこと。~をと・る(1)裾の長い着物の褄を手で持ち上げて歩く。(2)〔芸者が左褄をとって歩くことから〕芸者となる。「日本橋に~・つて/日本橋(鏡花)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.